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一身に風を受ける。
こうやって自殺者体験をするのは何度目だろうか。
「陽菜」
「はいっ」
5階からの紐無しバンジーも2階まで到達したとき陽菜に合図を出す。
地面に足が着く。
ざっと20mはあったのだが着地の時に足にかかった衝撃は全くなかった。
「反射か。てっきりいつもの風の魔法を使うと思ったんだが」
前までは着地の際に鳥と同じ様に風を下に叩きながら落下の勢いを殺して着地していた。
そしたらあら不思議。
「最近気付いたんですが……あれ、スカートめくれちゃうので……」
今思い返して恥ずかしくなったのだろう。
陽菜は顔を赤らめた。
……もう見れないと思うと俺は哀しくなったのだろう。
「それが楽しみだったのに……」
俺は小声で呟き肩を落とした。
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