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俊人「藤崎俊人、趣味は寝ること」
ガタガタ、と隣の席から慌ただしい音を立てて席を立つ美少女……。
桐島瑞希だ。
俊人「き、桐島さん? どうかした?」
なぜか彼女は俯いて震えている。
瑞希「し……し、しゅんちゃぁぁぁーん」
突然彼女は、叫びながら俊人に抱き付いた。
俊人「ちょっ、ちょっと、桐島さん!?」
振りほどこうとするが、それができない。
この細腕のどこにこんな力があるというのか、というぐらいの力で。
瑞希「覚えてないかな!? 昔、よく一緒に遊んだよ?」
瞳をうるわせながら、ジッと見つめてくる少女。
…。
……。
………。
…………。
……………。
…………………。
………………………。
俊人「瑞希って、やっぱ、昔引っ越して行った……?」
瑞希「そうだよ~」
泣きながら抱きしめていた力をもっと強くする。
ぎゅううう、と膨らみが俺の胸の辺りに当たって気持ちいい……って、俺は変態か!!
俊人「ちょ、離れてくれないか?」
瑞希「やぁ~だ~」
周りの視線……いや敢えて死線とでも言わせてもらおう。
とにかく、死線が痛いのなんの、はっはっは。
俊人「はーなーれーろっ!!」
このままでは晒しものになってしまうと、身の危険を案じて仕方なく力任せに引き離すことにした。
瑞希「ひゃう」
俊人「はぁ……はぁ……」
なんとか引き離すことに成功したが、息切れするという代償を支払った俊人。
俊人「とりあえず席着こう、な?」
瑞希「むぅ~」
膨れっ面で背丈的に上目遣いになる彼女。
やばい……すげぇ可愛い……って今はそんな悠長なこと言ってられねぇ。
男子からの死線……痛いです。
紅葉「はいはーい、イチャイチャするのは放課後にしてね」
俊人「イチャつい――」
瑞希「はーい♪」
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