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――
言葉を遮られた。
自己紹介を再開したものの、ずっと此方を見てくる彼女の視線から目を逸らしながら時間が経つのを待つ。
そして、授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
紅葉「号令~」
女子生徒A「あの、委員長決まってませんけど?」
紅葉「あぁ、そうだったわね。じゃあ、桐島さんと藤崎くん、二人委員長で号令とかよろしくね」
いきなり、何を言い出しやがるこの糞教師がぁぁぁ。
男子生徒A「ざまぁ」
男子生徒B「よっしゃぁ!!」
男子生徒C「イチャつくからだ」
何だよぉぉそのふざけた決め方はぁぁぁぁぁ。
俊人「俺はやりませ…――」
瑞希「はいはーい♪ きりーつ、れー」
紅葉「じゃ、次の教室行ってくるけど、藤崎くん後で職員室に来るように」
目が笑っていない……。
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。
なんて某碇(いかり)なんとかという人物みたいなセリフは置いといて。
瑞希「大丈夫だよ~、あたしも付いてったげるから」
俊人「いや、瑞希がいてもいなくても変わんねー……って読心術!? この学校の奴は読心術がデフォルトなのか!?」
男子生徒A「桐島さーん、前はどこの高校にいたの?」
男子生徒B「桐島さん、趣味は?」
男子生徒C「瑞希たん……はぁ……はぁ……」
男子生徒D「ヤらないか?」
瑞希は、あっという間に男子と少人数の女子の輪に囲まれ、質問攻めされる。
……だから若干後半の二名おかしいって!!
直也「助けなくていーのか?」
輪の隙間から、彼女の様子を見てみると、なんだか困ったといった表情をしていた。
俊人「はぁ……仕方ないな」
男子の輪をかき分け瑞希の手を掴み、
――引っ張り出す。
――
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