憑依

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「ごめん… 実は、祐樹の事なんだけどな…」  と漸く話し始めた。 「祐樹? あぁ… 憑かれて、逝ってもーとるやん… 電話で、話しただろ~? 既に、手遅れだって」 「その祐樹のオヤジと、俺のオヤジが仲良いのは、知ってるだろ?」 と友人 「知ってるよ 何でも、祐樹のオヤジとお前のオヤジは、先輩後輩の仲なんだろ?」 と私は言った。 「それで、祐樹がおかしくなって入退院繰り返している時に、祐樹の両親に泣きつかれてな… 祐樹が、退院した時は側に居てやって欲しいと頼まれてさ…」 と言って下を向く友人 「難儀な奴やな… お前」 「なぁ… 絶対無理なのか 祐樹の事」 真剣に聞いて来た。 「あのなぁ… 電話でも、話した通り手遅れや! 言うてるやん… 簡単に、説明したる! ガンの早期発見が、重要や言う事は知ってるな? 進行を、早期発見で治療したら、助かるからやろ? 同じ事が、言えるんや! 憑かれて、早期発見でお祓いなどをすれば助かるんやけどな… 問題は、此処からや! 幽霊に、取り憑かれているので、50万必要です! 言われて、はいそうですか? って金出すと思うか? 何寝ぼけているねん言われるのが落ちやな… その間に、進行していき… おかしな原動が、見える時には末期に近い! それなりの人に、見て貰う必要がある・・・ 大概、此処まで来たときには意識まで持っていかれる寸前やわな… 持っていかれたら… 終わりや!」 「見せれば良いんか?」 と友人 「離れさせようとする、祐樹の意志がないと、どんな偉い坊さんに見せても無理やな… 意識まで、持っていかれたら…」 と答えた。
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