憑依

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「あのな…  祐樹と一緒に、行動するようになって、俺もおかしくなったみたいなんだ…」 不安そうに、話す友人。 「詳しく言ってみろよ! 今の話だけじゃ、全く分からん!」と言った。 「祐樹の奴な、やたらと不可解な行動が、多くてな… いきなり、誰も居ない空間に話しかけたり、俺を誰かに紹介しているみたいなんだ… 誰も、居ないんだぜ… でもな… いつの頃からか、祐樹の見ている場所に、違和感を感じ始めたんだ。 それが、徐々に正確に鮮明に見えてきたんだ…」 パキーン! もの凄い!弾ける音がした。 振り返ってみるが… 何も無い! だが、誰かの視線を感じる。 「ごめん… 視線を感じたけど、気のせいみたいだわ… 続けていいよ」 私は、友人に言った。 「始めは、無色透明のモヤモヤしたものだったんだ。 それが、徐々に色彩がついてきて… 人の形に見えてきたんだ。 青紫がかった色の手が、見えて初めて相手が女性だと、わかったんだ」 そこで、突然会話が途切れた。
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