憑依

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カタッ!  カタカタカタカタ… テーブルが、揺れている? 地震か?  違う! 友人が、震えているのだ… 血色は、無くなり青ざめた顔をして、下を向いたままガタガタと震えているのだ… それと同時に、周囲に異変を感じた。 静かだ! さっきまで、うるさい位に話し声がしていたのに… 今は、全くの無音状態だ… 振り向いた私は、唖然としたのだ… 我々と片隅に、座る女性以外誰も居なくなっているのだ。 有り得ない状態だが… 言える事は、今は別の次元に居ると考えた方が正しい。 金縛りなどかかると、すぐ隣の人でさえ、死んだ様に寝ていて何をしても、決して起きる事は無い。 地場の関係で、全く別の次元に居ると考えたら…? 起きる訳も無い。 まさに、今がその状態である すると… 片隅に、座っている女性は? とっさに、首にかけていた御守りを、引きちぎり友人に持たせた! マズい! この場から退散しないと大変な事になる。 「出るぞ! 早… …く」 次の瞬間、真冬に氷を背中に押し当てられた位の寒気がしていた… 金縛り… カタカタカタカタ… ガタガタガタガタガタガタ… 友人の震えは、更に強さをます。 私の首筋に、長い髪の毛が触れているのが分かる! 振り向けないが、相手は少しずつ振り返っている! 対面で、座っている為 友人には、女性の顔がハッキリと見える事になる… 「ウワァアアア…!」 叫び声を上げて、気が狂った様に錯乱している
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