憑依

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静かに、心の中でお経を読み上げる 「貴女は、祐樹だけじゃ飽きたらず徹までも、連れていくつもりか?  その願いは、断じて許さん!」 と心の中で、言った。 少しずつ、身体の自由がきいてきたので徹に持たせた御守りを放さぬように握り締めた。 この御守りの中には、不動明王が入っており、業火の炎で簡単に触れるものでは無い。 必ず徹を、守ってくれるはずだ! 更に、強く念じながらお経を読み上げる! 空気が、澄んできた。 何時の間にか、騒がしい店内に戻っている。 あの女性の姿は無い! だが… 恐怖で錯乱した徹は、別人になったみたいに放心状態だ。 周囲の御客の視線も、集まる。 仕方ないとは言え… あの状態を、知っている客は居るはずも無い。 徹を、店から連れ出しすぐに住職に連絡をする。 事情を説明すると、すぐに連れて来いとの事! 徹の実家に、連絡をする。 おばさんに、重要な事を説明すると慌てた様子で、おじさんにかわった。 店内での出来事と、祐樹の状態などを細部にわたって、説明すると、私の話が冗談抜きの話だと理解してくれた。 その後、徹の両親と寺で落ち合いお祓いを受けた。 住職から、何故このような経緯になったのか? その説明を受けていた。 祐樹も、助けて欲しいと住職に話すおじさんだったが… 現時点の祐樹に、助ける事が出来ないと説明を受けて理解したようだった。
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