禁断のかくれんぼ

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危険な状態 あれから、1ヶ月が過ぎた… 村上とも、たまに電話が入るくらいだ。 まぁ、家族を持っているのだから仕方ないことだが… 当然、普通の生活が始まっている。 朝から、嫁さんの怒鳴り声がこだまする… 子供5人だから、朝から戦場なのだ… 仕方ない事では、あるのだが。 私は、昼から翌朝までトラックで荷物を運ぶ。 全く、通常の人達とは反対の生活リズムだ その日も、最後の荷物を、積み終わり 荷受先に、納品したら仕事は終わる。 深夜1時、荷受先に届ける為にトラックを走行中 ふいに、携帯が鳴る! 手ブラオートにしている為、走行中でも会話は可能だ。 音声認識機能付きの優れもの… 「応答! もしもし? どうした村上…」 携帯の画面には、村上からの電話だと表示されている… 「もしもし? 零(私の仮名)? 助けてくれ!… マジでやばいよ…」 切羽詰った村上の声がする。 「おい! 村上? どうした… 全く、そっちの状況がわからないんだけど…」 何が、どうなって慌てているのか全くわからない私。 「やっちまったんだよ! かくれんぼ… ネットで、やり方みて…  」 少し涙声で、そう答えた。 「えっ! はぁ~? やっちまったって… なんでやったんだよ! あれだけ、危険だからするな! と言った筈」 状況は、理解出来たが… はっきり言って、キレタ… 理解は出来たものの… この状況(仕事中)で、どうしようもない。 助ける事も出来ない 歯がゆさ それに、注意したにも関わらず… 怒る事しか出来ない…
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