禁断のかくれんぼ

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無音… 「もしもし? おい! 村上? 返事しろ どうした? おい おい  何があった… おい! 村上… 返事しやがれ! 」 何度、問いかけても反応は無かった。 行き場の無い怒りと無力感… 現実は、こんなものだ。 今は、仕事中… トラックを走らせて、荷物を降ろして… 現場に、何時になった行けるんだろ? 村上に、一体なにが起こったのか? どうやって、助けたら良かったんだ… この状況で… 誰か教えてくれ こんな時に、不意に浮かぶ書き込み 本当に友人なら、真剣に止めれたんじゃないですか? どうすりゃ… 良かったんだよ! そのまま、仕事を終わらせて帰宅した。 帰宅するまで、村上の携帯に何度もコールしたが… かかってくる事はなかった。 村上の両親に、連絡をしてみようかと考えたが 深夜に、あの状況を説明して… 信じてもらえる自信は無かった… 朝、8時過ぎ… 私は、全く寝ていない。 寝れる状態ではなかったのだ… 昨晩の出来事を、嫁に話した。 とりあえず、仕事もあるのだから寝てほしいとの事… 連絡があれば、すぐに起こすからと もっともの意見だ。 どういう状況であれ、家族を持つ私にとって 養う事が重要であり最優先事項なのだ。 友人の為に、家族を犠牲には出来ない リアルな現実を、目の当たりにする。 そんな事が、頭から離れない為に… 小説が、全く書けなくなっていたのも事実
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