†αηθτЧεγⅣ†白銀の乙女

海での再会

新年度が明け、ユイの騎士生活2年目が始まった。

あの選挙から2か月。

もうガイアの雪は解け、庭の土が見えている。

しかしユイはガイアではなく、帝国領南にある帝国唯一の港町、ヤシンにいた。

この4月1日、ヤシンは年に一度の祭りを行っている。

第四師団に入団した新兵を収容するために、すべての艦隊がこの日だけヤシンに勢ぞろいするからだ。

もともとは騎士たちが再会を喜び合って宴会を開いていただけだったが、やがて町全体で祝うことになったらしい。

町としても、洋上生活ばかりの騎士たちがハメを外して贅沢をするこの日に、祭りでさらなる収益拡大が見込めるためありがたいとか。

艦隊の戦艦が港に並び、海と並行して出店が立ち並ぶ。

その中を、ユイ達はするりするりと人ごみをかわして進んでいった。

達、といったが、ユイの後ろにはカナ、それに二人の後輩であるソフィアがいる。

彼女はガイアに入団することが決まっており、二日後に入団式を控える身だ。

今回はその前祝と、海軍に所属する3人の先輩に会うことを兼ねたお出かけというわけだ。