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「…き……い!」
ん?
「起…な…い!」
眠いのに……もうちょっと寝かせてくれよ。
「起きなさい!」
その瞬間、閉じているまぶたさえ貫く光が目を射抜いた。
「ま、眩しい!」
目を押さえて飛び上がる。
「早く起きないからよ」
ざまぁみろと言わんばかりにアンが言う。
レインは目を開け、辺りを見渡した。
ガイアの屋敷にある自分の部屋だ。
横たわっているのはキングサイズのベッド。
「どうして……」
「どうして?何が『どうして』なのよ」
母親が目の前で首を傾げている。
「……いや……」
そう言いながらアンの顔を見ていると、なぜか違和感があった。
「……」
「何よ、マジマジと見つめて」
「母さん、小じわ増えたな」
ガツン
「ふざけんじゃないわ!気にしてることを本人の目の前で言うなんてどんな神経してるのよ!」
強烈な右フック。
「さ、さすが母さん」
一瞬意識が飛びかけたが、何とか堪えたレイン。
追撃として空いている枕を叩きつけていたアンは、呆れてため息をつきながらレインに背中を向けた。
「もう子供じゃないんだから、ちゃんと起きなさいよ」
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