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「おい奏、お前番号ねぇぞ??」
真野奏(マノ カナデ)15才。
今いるのは、あたしが受けた第一志望の高校の正面玄関。それも受験番号が張り出されてる掲示板の真ん前。
「そんな訳ないって、自己採点じゃあんたより20点は高かったんだから」
どうせあたしは裕也達にからかわれてるんだろう。
高橋裕也(タカハシ ユウヤ)、15才。
自称バスケの天才で、勉強においても自称日本の未来を担う神童って言い張るあたしの悪友。
「まぁ早く見てみ??笑」
そう言うのは悪友第2号こと、
井上海斗(イノウエ カイト)、15才。
というか、事の始まりはコイツのせいだ。合格発表は12時からだったのに、あたしがここについたのは2時過ぎ。発表を見に来た人達はとっくに帰ってしまった後だ。
「絶対落ちてないし。あたし」
とは言ったものの、ここは県下No.1の進学校。定員400人だから、ざっと200人は確実に落ちるだろう。
指をさしながら改めて真剣に掲示板と睨めっこ。自分の番号を探す。
……202、あ、カイト合格だ。
……203、ユウヤも発見。
……204、コウジも…。
……ない、あたしの番号。
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