そしてまた、世界は廻る

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あたしは思わずその場で固まってしまった。204の下には画びょうが止まってて、それが掲示物の終わりを示していた。   ま、まさかね…。 これには隣の行があって、あたしの番号はそこに………   かがめた上半身を勢いよく上げて、ついでに指さした人差し指の先をじっと見た。 あたしに見えたのは掲示板の木枠半分と後ろの壁。 204を最後にあたしの番号は並んでいなかった。   再び放心状態。   あたしが落ちるなんて……   「ま、ドンマイだなカナデ。お前の分までここの高校生活をエンジョイしてやるよ」   「そそ。ユウヤの言う通り、俺らが楽しんでやるからよ!!あ、お前もしかして面接の時にイスぶっ倒したのが響いたんじゃね??」   あたしはそこでハッと我に帰った。そういえば、緊張のあまり立ち上がった瞬間にイスに躓いてハデに音を立てたっけ。 …たったそれだけのコトで。   どうしよう。あたしは皆と一緒の高校に通えないんだ…。   一気にテンションが下がった。   「全く、カナデってホントにおっちょこちょいだよな」   コウジがあたしの頭をぽんぽん叩きながら言った。   「…ぃや、それはおっちょこちょいとゆーか、そんなに単純な言葉で済ますなとゆーか…。てかみんなヒドイ…」   あたしはさらに暗くなった。   「いや、そういう意味で言ったんじゃなくて。後ろ」   コウジがあたしの背中を押してその場で一回転させた。   「ホラ、あそこ」   コウジが指さした。 その先には掲示板があって、そこにはちゃんとあたしの番号が1番上の左端に書いてあった。   「…あ、205発見」   ユウヤとカイトが大爆笑した。 どうやら番号は2つの掲示板に分けて張り出してあったらしい。 あたしはまんまとノセられてしまったみたいだ。   「だいたいなんで204で合格者終了なんだょ??笑" まだ受けたヤツたくさんいるだろ」   言われてみれば。 結局コウジまで笑い出した。   野田光志(ノダ コウジ)、15才。 ユウヤとカイトと同じバスケ部で、2人みたいにはあんましゃべったりしない、ちょっと静かな人。でもあたしらの中で一番頭がいい。   ひとしきり笑われた後、3人声を揃えてあたしに言った。   「カナデ、合格おめでとう!!」
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