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Where is あたしのチャリ??
答えはズバリ、カイトの仕業。
運の悪いコトに、あたしの家はカイトの家と隣同士だった。昨日の夜、カイトから『チャリ貸して!!』と何の前触れもなしに電話がかかってきて、バカなあたしはそのまま貸してしまったのだ。
「それでね、あたしてっきり夜のうちに返してくれると思ってたのに、気が付いた時には合格発表見に行く直前で、自転車なかったの!!」
なんでずっと乗ってんのよ、と付け加えてカイトを見ると、本人は何の悪気もなかったかのように言い返してきた。
「だーかーらー、オレはmyチャリがパンクして乗れる状況じゃなかったから電話した訳であって、カナデのチャリ貸せとは言ってねぇよ!!カナデん家の余ってるチャリ貸してくれって…」
「あー!!!!そんな事言ってなかった、聞いてない!!」
結局はカイトの弁解も空しく、カナデの大声に掻き消された。
「別にさ、そんなんどーでも良くない??一番被害を被ってるの、関係ない俺だと思うんだけど…」
ユウヤがボソッと呟いた。ギャーギャー言っているカナデとカイトには全く聞こえていないらしい。それを見て、コウジが笑った。
そんな、6年間変わる事のなかったよくある光景。
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