890人が本棚に入れています
本棚に追加
/209ページ
愛されたいと願う。
だけど、それは叶わぬ願い。
信頼という名の元、
安心しきった笑みを見せて、
その大きな手で僕に触れて、
男らしい豪快な声で、
優しく鼓膜さえも支配する。
その声は凶器。
内部から僕の体を、
ジワジワと突き刺していくんだ……。
優しい貴方の声。
音色……。
最初は喜びだった、それすらも……
今は残酷に思えてならない。
どれだけ、
僕は貴方に陥れられればいいのですか?
どうしたら、
貴方は気付いてくれますか?
いいえ、
貴方はきっと気付かないでしょう……。
きっと貴方は永遠に気付かない。
貴方の側で、
貴方に微笑んで頂きたくて……
名前を呼んで、
頭を撫でて頂きたくて……
僕が望んで、
“優秀”な側近になったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!