命の時計

2/2
前へ
/2ページ
次へ
人はそれぞれ命がある いつ死ぬかなんてわからないこと 人は一人一人時計と訳のわからない鍵を持っている だけどいつかその鍵は役に立つから捨ててはいけない 神様は君をいつも見ていて君の人生を決めている だから神様は君がいつ死ぬかわかっている その『死』を早める方法は一つだけある それは自分の鍵を捨てること 自分の都合でその鍵を捨てたらもう戻ってはこれない それが本当の『死』だから その時計は人によって始まりが違ければ終わりも違う 産まれた時に自分の時計が動くんだ その時計は人それぞれ流れる速さは違う いつしか君が少し大きくなって、好きな人と出会うであろう そして、その人を愛し、その人を守ろうとし、その人との間に新しい小さな時計を作る その時計を作るには君の時計の電池を少しだけ分けてあげなくてはいけない 君は愛した人と、その人との子供のために朝から晩まで時計の電池を削り働いたり家の事をする そして目上の人を尊敬し、敬い、助ける たとえそれがどれだけ辛くても君なら乗り越えられる いつか君が尊敬され、敬われ、助けられた時には心の準備をしなくてはいけない 君を越えてもうとっくに上の世界に行った人たちに会うための準備 そして君が自分のまぶたに重みを感じたら静かにまぶたをとじるんだ それは『死』なんかじゃない それは『生』だ そのために空の世界、向こうの世界へ行く そして向こうの世界に行き、少しだけそこで時計の電池を充電しておくんだ 充電が十分になったら君のまえに新しい命が現れる、その目の前には鍵のかかった扉がある 君は新しい命に鍵を渡し扉を開けさせる そして君は生きてきた証のついた時計を渡し君は生まれ変わり新しい世界へ足を出す たとえそれがどれだけ辛い世界でも君は鍵を捨ててはいけない それが辛い世界でも必ず君はまた同じ名前をもらい 同じ人たちと出会い 同じ人を愛し 同じ小さい時計を作る その運命もその後の運命も全てもう決まっている だから諦めたらいけない いつか君がまた時計を充電し始めたら、次はきっと素晴らしい世界になると決まっているから ✨終わり✨
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加