第1章 お父さん

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なにかと病院は嫌いじゃなかった。 病院に行けばいつもお父さんが笑顔で迎えてくれる。 看護師さんとも仲良くなった。 あの脈を測る姿を真似してみたり、聴診器をあてる姿を真似してみたり。 看護師:『あら~なかなか様になってるじゃない。このお仕事向いてるかもね。』 さくら:『うん!あたし看護師さんになる!』 そしたら子供用のおもちゃの聴診器を看護師さんにプレゼントしてもらった。 看:『今から聴診器の練習してたら将来が楽しみね。』 嬉しくって同じ病室の人にまで聴診器をあてて回った。 患者A:『お?今日からさくらちゃんが診てくれるのか~』 患者B:『さくらちゃんに診てもらえたら、ずっと入院してたいな』 そんなことを言われ更に調子に乗ってしまった私。 それからは看護師さんが来る度に真似していた。さすがに点滴だけは真似しようがなくて、ふてた事もあったけど…(笑) だけど、あの純白な服に落ち着いた白衣の天使は本当に憧れになっていた。 次第に将来は看護師になりたいと思うようになった。
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