第1章 お父さん

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2日後、術後はじめてお父さんに会えることになった。 かっぽうぎみたいなものを来て、キャップをしマスクをつけ、アルコールで手を消毒してICUに入った。 そこで見た光景に衝撃を受けた事は今でも忘れない。 ベッドに横たわったお父さんの体にはたくさんの機械と点滴が繋がれていた。 はじめての光景に、意識のないお父さんを目の当たりして、私は怖くなってひとり出て行ってしまった。 泣きながら歩いて行った場所はナースステーションだった。たくさんの看護師さんたちが『さくらちゃん!?』と気づいてくれ、泣きじゃくる私を仮眠室に連れてって寝かせてくれた。 しばらくして目が覚め、枕元に二羽の折り鶴が置いてあった。 くちばしとくちばしを赤い糸で繋がれた二羽の鶴だった。
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