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中学3年の夏 彼と出会いました。 「暑いね~。」 「何しよっか。暇だよね。」 仲村 捺未 (14) 私達はその日部活をさぼって校内をうろついていた。 「そう言えば相談室って行った事ある?」 「相談室?」 相談室…あまり良いイメージが無かった。 弱い人が行く所で自分とは無縁だと思っていた。 弱い人は嫌いだ。 「なんかお菓子もらえるらしいよー!お茶も出るって」 「まじかー。じゃあ行ってみようか!」 ガラッ 「失礼しまーす…」 思ってたより質素な部屋。 本が沢山ある 「おー!いらっしゃい。」 ちょっと驚いた。 私が想像していた相談員とはおばちゃんだったからだ。 イメージとは反した若い男の人だった。 「はじめまして!俺はここの相談員の佐々木拓也です。」 長身に色白の薄い顔立ち 何処か落ち着いた雰囲気を持っている。 「なんか胡散臭い…」 第一印象はとても良い物ではなかった。 でも今になって思えば出会った時から意識していたんだと思う─
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