12490人が本棚に入れています
本棚に追加
食堂に着き、秋山さんとあたしは早速お昼ご飯を食べる事にした。
「満里奈ちゃん、何にする?」
「えーっと……」
ダイエットに詳しくて栄養士免許まで持っている秋山さんに聞かれると、まるでテストみたいで緊張する。
朝ご飯を選ぶコツは教えて貰ったけど、お昼ご飯も同じ感じでいいのかなぁ……?
あたしが悩んでいると、秋山さんはくすくすと笑った。
「お昼は、好きな物食べていいのよ」
「えっ?」
「勿論、食べ過ぎは良くないけどね」
そう言って秋山さんは自分のトレイに、パスタにグラタン、スープにほうれん草とベーコンのソテーをぽんぽんと乗せていった。
「そ、そんなに食べるんですか……?」
「朝昼晩とヘルシーなものばかり食べてたら、ストレスが溜まるでしょ? それに、昼のうちにがっつり食べておいた方が、夜ドカ食いしなくて済むのよ」
「へー……」
「でも、気になるなら和食がいいんじゃないかしら? 洋食や中華よりヘルシーだし」
「あ、はい。じゃあ、和食にします!」
あたしは秋山さんに言われた通り、和食メインで食べたいものをトレイに乗せた。
確かに、あたしがダイエットしていた時は、無理してところてんやお豆腐だけ食べて、結局夜中にお腹が空いてドカ食いしてた……。
あたしは自分のトレイを見つめる。
キノコの炊き込みご飯、豚の生姜焼き、キャベツ、肉じゃが、お豆腐、けんちん汁……。
「……流石に、食べ過ぎですかね……?」
あたしは不安になって秋山さんの顔色を伺った。
「朝は王様の様に食べ、昼はプリンスの様に食べ、夜は貧者の様に食べる!」
「へっ?」
「海外のことわざみたいなものよ。言葉の通り。食べても平気!」
秋山さんはにこにこ笑って、親指を立てた。
「は、はい……」
今まであたしがしてきたダイエットって、もっと我慢の連続で辛いものだったけど、これならストレスも溜まらないし、長続きしそうだな……。
最初のコメントを投稿しよう!