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「そういうセシリーは、確か朝食の当番よね?」
イレイアは引きつった笑顔をセシリーに向けて言う。
「旬~、旬~、可愛い服かったから、仕方なく見せてやるでしよ」
フルーンはフルーンで引っ張り出そうとする。
(これは……うるさい。かなり喧しい)
旬は妙にモテる感覚よりも、騒がしさに参ってしまう。
正に、女三人寄れば姦しいである。
「旬は居るか!」
部屋の扉が開き、第四の刺客がやって来た。
「今から朝の訓練だ」
アリアスはさも当然のように言うが、アリアスとの訓練は久しぶりである。
「ちょっと、待ちなさいよ。旬に訓練は必要ないわ。騎士じゃあるまいし」
「ん? イレイア殿、旬は騎士になった……いや、騎士になる予定だが?」
アリアスの言葉に、旬はやっちゃったといった感じで頭を抱える。
ジャン・ズーに付いた日は、自分の話が出来ず聞き手に徹してしまったのだ。
そして今日、二日目を迎えたわけだ。
「…………」
「…………」
「…………」
セシリー、イレイア、フルーンは唖然とした表情を旬に向けた。
「え-、はい、この度小倉旬は騎士になります」
言わずもがな、三人は驚きの大声をあげた。
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