第二章 過程と結果

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「えーっと、キャス子は」 〈キャス子!?〉  旬がとっさに命名すると、自称守護精霊の素っ頓狂な声が返ってくる。 「君の名前だよ。城の名前は覚えてないから、城を英語にしてキャッスル、だからキャス子」  本当ならばトリエル城という名前があるのだが、一度しか聞いていない城の名前など覚えている筈もなく、ミリスターナの時同様にあだなを命名した。 〈何というか、ひねりが無いですネ〉  自称守護精霊は呆れながら言う。 「そ、そうか」  そう言われてしまうと、恥ずかしくなり、旬は自分の顔が熱くなるのを感じてしまう。 〈でも、まあ。気に入りました〉 「ならなんで否定的なワンクッション入れたんだ」  結局キャス子に落ち着き、旬は恥ずかし損である。 〈色々とお話したい気持ちですが、ヨハネス様がお待ちですヨ〉 「そうだった」  守護精霊出現というファンタジー色が強いイベントに、旬は遅刻する事をすっかり忘れていた。  しかし、これで確実に遅刻出来そうだ。というよりも確定だ。
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