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「えーっと、キャス子は」
〈キャス子!?〉
旬がとっさに命名すると、自称守護精霊の素っ頓狂な声が返ってくる。
「君の名前だよ。城の名前は覚えてないから、城を英語にしてキャッスル、だからキャス子」
本当ならばトリエル城という名前があるのだが、一度しか聞いていない城の名前など覚えている筈もなく、ミリスターナの時同様にあだなを命名した。
〈何というか、ひねりが無いですネ〉
自称守護精霊は呆れながら言う。
「そ、そうか」
そう言われてしまうと、恥ずかしくなり、旬は自分の顔が熱くなるのを感じてしまう。
〈でも、まあ。気に入りました〉
「ならなんで否定的なワンクッション入れたんだ」
結局キャス子に落ち着き、旬は恥ずかし損である。
〈色々とお話したい気持ちですが、ヨハネス様がお待ちですヨ〉
「そうだった」
守護精霊出現というファンタジー色が強いイベントに、旬は遅刻する事をすっかり忘れていた。
しかし、これで確実に遅刻出来そうだ。というよりも確定だ。
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