第二章 過程と結果

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 それから数秒して、キャス子は再び旬の前に現れた。 〈現在アリアスさんは、一階西の騎士食堂でちょっと早い昼食を食べていまス〉  キャス子の能力の高さに改めて驚きつつ、旬はキャス子に案内を頼む。 〈了解しました〉  キャス子は書庫に案内したように、旬を先導する。  騎士養成学院の食堂よりも小さな食堂だが、明らかに来る途中で通過した食堂とは違い、旬の足が思わず止まった。  まるで高級レストランのような、上品な人意外お断りな空気が漂っている。 〈こっちですヨ〉  キャス子は気にも止めずに進んで行く。  このままだと必ず誤解を招くと判断した旬は、マントを羽織って中に入る。  昼前だからか人は少ないが、どの男性も貴族然とした空気を醸し、見ない顔である旬を訝しげに見ている。  キャス子が止まったテーブルで、アリアスは一人昼食を食べていた。 「こんにちは、アリアスさん」  いきなり連れて行くのは非常識過ぎるので、旬は当たり前だがちゃんと段階を踏む。 「ん? ああ、貴公か。こんにちは」  顔を上げながら、アリアスは垂れた前髪を右耳にかけ直す。  さり気ない動作だが、食事中だからか無防備さも相まって、旬は思わず見とれてしまう。 「どうした呆けた顔して? 立ってないで座ったらどうだ?」 「あ、はい、失礼します」  旬がアリアスと相席した瞬間、周りからどよめく声がもれた。
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