第一章 もう一人の騎士

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 フォルクスは無表情で旬を見るが、当の本人はとぼけたように肩をすくめている。 「言伝はしました。失礼します」  フォルクスはマントを翻し、ジャン・ズーを出て行く。 「あ、朝からヘビーだ」  ケイトはため息を吐き出すと、チラッと旬を見る。 「おはよー、ケイト」 「あ、はい。おはようございます」  盗み見たつもりだったのだが、ケイトは恥ずかしくなりキッチンへと行ってしまう。 「フルーンちゃん? どうかした?」  セシリーとフルーンは、こっそり守護騎士と面々のやりとりを見ていたが、フォルクスを見た時からフルーンは小首を傾げている。 「なんか見覚えがあるような、声に聞き覚えがあるような、そんな感じでし」  初対面の筈なのだが、フルーンは違和感を覚えてしまう。 「あの人は守護騎士だから、街ですれ違ったのかも」 「うーん、そうでしかね?」  そう言われてしまうと、そんな気がしないでもない。フルーンはそれについて、一旦考えるの後回しにする事にした。
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