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フォルクスは無表情で旬を見るが、当の本人はとぼけたように肩をすくめている。
「言伝はしました。失礼します」
フォルクスはマントを翻し、ジャン・ズーを出て行く。
「あ、朝からヘビーだ」
ケイトはため息を吐き出すと、チラッと旬を見る。
「おはよー、ケイト」
「あ、はい。おはようございます」
盗み見たつもりだったのだが、ケイトは恥ずかしくなりキッチンへと行ってしまう。
「フルーンちゃん? どうかした?」
セシリーとフルーンは、こっそり守護騎士と面々のやりとりを見ていたが、フォルクスを見た時からフルーンは小首を傾げている。
「なんか見覚えがあるような、声に聞き覚えがあるような、そんな感じでし」
初対面の筈なのだが、フルーンは違和感を覚えてしまう。
「あの人は守護騎士だから、街ですれ違ったのかも」
「うーん、そうでしかね?」
そう言われてしまうと、そんな気がしないでもない。フルーンはそれについて、一旦考えるの後回しにする事にした。
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