第二章 過程と結果

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「とりあえず、読み書きに関しては問題ないという事ですね」  旬は納得といった感じに頷くと、再びベッドに腰を下ろす。 「所で……旬さん、先ほどの箱を見せていただけませんか? というよりも見せて下さい!」  妙に目をキラキラと輝かせるフローリアを見て、彼女が剣を好きな事を思い出した。  携帯電話と剣は全くの別物なのだが、何かが彼女のツボに入ったのだろう。 「はい、どうぞ」  旬はフローリアに携帯電話を渡す。  言語について一件落着し、書庫漁りに専念出来ると思い、旬はベッドに横たわる。  両手を後頭部で組み枕のようにし、天井を見ていた旬は唐突に思い出した。 「ああぁ!!」  そして叫ぶ。 「どうしたいきなり」  フローリアの横に座り、携帯電話を覗き込んでいたアリアスは訝しげに旬を見る。 「明日から任務ですよ! 忘れてた……準備しないと」  言うやいなや、旬は数少ない衣服下着類をクローゼットから取り出すと、ベッドに一旦置く。  そんな旬を見ながら、訳を知らないフローリアは首を傾げて言った。 「任務とはどういう事ですか、アリアス?」 「任務といっても、お使いみたいな簡単なやつだ。ナリタリ鉱山までな」 「ナリタリ鉱山……確かに近いですが、哨戒兵の噂によると、クレタ林道付近に何かが住み着いているとか」  フローリアの言葉に、アリアスの細くシャープな眉が僅かに動いた。
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