第二章 過程と結果

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「詳しく聞かせてくれ」  初耳らしいアリアスは、旬に悟られないようにフローリアと話す。 「警備隊の管轄なので、詳細はまだ騎士隊まで上がってません」 「魔物か? それとも……化け物か?」 「それもまだハッキリとは……。ただ、大きな何かだという話です」  曖昧なこの手の報告はざらなのだが、このタイミングでしかも、旬の任務に関わる林道である。  過去に旬は二回ほど化け物と遭遇している事を鑑みるに、今回の件は看過出来ない。  かといってバルキリーは管轄が違うので、自由に動けない。 「任務で倒せそうにない敵と出会ったら、貴公はどうする?」  アリアスの不躾な質問、旬は準備の手を止める。 「状況によりますけど、多分……逃げますよ」  旬の言葉を聞き、アリアスは少し体の力を抜いたが、フローリアは違った。  過去に旬はフローリアの説得を振り切り、燃え盛る民家に突入するという無謀な行動をしている。  その状況によって、旬の行動力は著しく変わるのだが、それがかなり危険なのだ。
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