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フローリアの危惧を余所に、旬は着替えを畳んでいたが、ふとその手を止めた。
「野宿とか初めてなんですけど、何か必要な物ってあります?」
外に出るのだから、野生動物や流れついた野盗とかち合う可能もあるが、旬にはまるで危機感が無い。
アリアスとフローリアは互いに顔を合わせると、アリアスは深くため息を吐き、フローリアはまあまあと宥める。
「明日必要最低限の装備を渡すから問題は無い。今出来る事は早めに休む事だな」
アリアスはそれだけ言うと立ち上がり、フローリアに目で帰る事を伝える。
「くれぐれも無茶だけは、しないようにお願いします」
フローリアはそう言うと、ごきげんようと会釈をして部屋を出て行く。
「夜更かしするなよ」
まるで修学旅行時の教師みたいな注意をすると、アリアスは出て行き扉が閉まった。
「夜更かしするにも、テレビやラジオが無いんですけどね」
旬はポツリと呟き、ティーセットを片付けるべく立ち上がった。
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