第二章 過程と結果

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 とりあえずその伝言にしたがい上着を脱ぎ、拳銃をしまうホルスターのナイフ版を装備する。  二本を両肩の下に吊し、残りの二本を腰に吊す。  これで上着を着たら、まず武装していることは分からないだろう。  そしてもう一つの装備であるリュックサックだが、レジャーに使うようなお手軽なやつではなく、明らかに登山向けの大きな物である。  ご丁寧に寝袋を巻いた物までリュックに乗っかっており、このまま旅に出てもおかしくない装備だ。  さすがにリュックとは別に、自前のバッグを持って行く勇気はなく、衣服やペットボトルをリュックに移すと旬は騎士団長にバッグを差し出す。 「アリアスさんに渡して下さい。預かってとの伝言付きで」  私は伝令か……と騎士団長は呟くが、快く旬のバッグを受け取った。  そして旬がリュックを背負った時、もう一人の参加者が現れた。 「騎士団長、おはようございます。それで、私の荷物はどれですか?」  シェリーは当たり前のように旬を無視し、騎士団長から受け取ったリュックを背負う。  彼女の腰には剣があり、おそらく自前の物だろう。  旬がそれとなく観察していると、騎士団長が唐突に口を開く。 「ナリタリ鉱山に向かい鉱石を入手し、二人揃って帰ってくる。期限は5日間以内。それでは……任務開始だ」  
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