第二章 過程と結果

32/50
前へ
/565ページ
次へ
 陽が傾き空が茜色に染まる頃、旬は前を行っていたシェリーに分岐点で追い付いた。  正確には分岐点でシェリーが止まっていたのだが、旬を待っていたというわけでは無く、ただ単にどちらに進むか迷っていたのだろう。  旬はY字に別れた左右の道の先を見るが、完璧に別れているので道がまた交わる可能は低い。 「……どっちだと思う?」  とりあえずシェリーに意見を訊いてみる。 「分からないから立ち止まっているという状況が、分からないんですか?」 「いやいや、どっちか訊いただけじゃん」  シェリーの突っかかるような言い方に、つい旬も応酬してしまう。 「じゃああなたは分かるんですか?」  シェリーの問に、旬は黙って右側に行くとその場にしゃがむ。 「今から調べる。静かにしてくれ」  それだけ言うと旬は地面を観察する。 「……」  シェリーは空を見上げると、次に旬とは逆の左側の道を見る。  そしてシェリーは一人で進んで行ってしまった。
/565ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54504人が本棚に入れています
本棚に追加