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「あの、涼宮さん」
そんな様子に触発されたのか、不意に浮かんだイタズラ心のままに軽く手を上げて呼びかければ、3人の目が今度は一斉に僕に向く。
発言を待つ期待に満ちた眼差しと、何を言うのかと僅か怯えた視線と、余計なことは言うなと睨み付けるような目つき。
「さっきの健全な高校男子の話ですが、もしかしたら彼より僕の方がすごいかもしれませんよ?」
茶化したように笑みを深くすれば、これで完全に気を削がれたらしい彼女は話題に似つかわしくないほど明るく笑った。
それを見つめる視界の端に、盛大にお茶を吹き出して咽せる彼の姿。
きっとその意味だって、僕たち互いにしかわからない。
秘密の、メッセージ。
end
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