第3話 猫と名前

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その日、白銀は悩んでいた、猫の名前について 今彼は軽いご飯というか粥を食べている。 何日も食べていないし、胃に負担がかからないものをと白銀が作ったのだ。 レンゲの使い方は教えればすぐ覚えたから助かる 懐かないのに食べさせられるわけが無い。 何よりそれが寂しかったりするのだけど、ゆっくり慣れてくれればと白銀は再び名前を考え始めた。 ふと、一つ名前が頭に浮かんだ。 「昶…」 「ぬ?」 パッと振り返り首を傾げる。呟いただけなのに聞こえて振り返った、少しだけ驚いてもう1度名前を呼んだ。 「昶くん…?」 「に」 気に入ったのか、あきらと呼ばれれば小さく返事をする。その名前以外思い付かないし、ましてや彼が気に入ったのならと白銀は名前を決めた。 「気に入っていただけましたか、昶くん」 「…に」 嬉しさが込み上げ思わず抱き締めてしまった。 「改めて宜しくお願いします昶くん!!」 「…!!」 また一つ、傷が増えたのだけど 仕方無い、嬉しいのだから (今日家族が増えました) +続く+
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