第1話 猫と出会い

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手当てをしてもらい、綺麗な手が絆創膏だらけになってしまった。 「ありがとうございます、院長」 「良いんだよ、暫く居るならそこにイスと…毛布あるからね」 そろそろ準備してくると言われ、ペコリと一礼し見送る。 近寄ってイスに座り、先程より良くなった顔を見る。 汚れは一通り落としたけど、お風呂に入れなければなどと考えてみれば、昔飼って居た猫を思い出す。 見れば似てる、容姿。 小さく欠伸をし、猫が寝ているベッドに頭を乗せる。 もう考えるのは止めて休もうと白銀は目を閉じた。 ………………… …………… 「う……」 小さく猫は身動いで目を覚ます。 ゆっくり起き上がり周りを見れば誰も居ないと思えば、ベッドに先程の男が眠っていた。 最初驚いたものの、絆創膏だらけの両手を見れば、尻尾をパタリと揺らす。 何故怒らないのか、とか構うのかと思いながら、どこか疲れた様子の男を引っ掻くわけにもいかず、いきなり開いたドアに目をやった。 「あれ?起きた?って今度は白銀が寝てる」 院長は朗らかに微笑み毛布をかけてやった。 「僕はここの病院の院長で我妻秋一って言うんだよ」 宜しくねと微笑み点滴を変えた。 それを見ながら尻尾で白銀を指した。
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