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「ん?この人は白銀だよ、徹夜明けなのに今までずっと起きてたから、寝かせてあげて?」
苦笑しながら言えば猫は了解したのか再びポスッと横になり白銀の絆創膏だらけの両手に尻尾をペタリと絡めた。
それに微笑み院長は再び診察にと戻った。
数時間後、白銀はゆっくり目を覚ました。
何か手に乗ってるような…と目を向ければ、尻尾が絡まっていた。
何故か故意に置かれたそれを辿り猫を見ればチラッと見やり再び目を閉じた。
それにフワリと微笑みながら頭を上げては猫さんと声を掛けた。
「私白銀と申します。良ければ、家に来ませんか…?」
「……に……」
猫はただそう言って、尻尾をユラユラと揺らした。
白銀は失礼します、と首元に手を向けた。
「!!」
「大丈夫…」
怯える猫に優しく囁けば、ボロボロの首輪を取り外す。
猫は驚きながら見上げ、白銀はニコリと笑った。
「これで、君は自由だ」
猫は自由に生きるもの、どうするかは君が決めれば良い
君を邪魔するのならそれを阻むものすべて、取り去ってしまおう
(そのためならなんだって)
+続く+
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