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日本が関わった戦争から手を引いた2015年、今まで動かなかった中国が遂に動いた。
2008年から建造を始めた6万トン級空母が2012年から続々と就役し、練度はそれほどではないが4隻が戦列に立った。
ちなみに日本は中型空母飛龍型が退役したが、大型空母翔鶴型4隻と原子力空母信濃型6隻の計10隻が就役していた。
しかし翔鶴型は1970年代に整備された旧式艦のため2隻がドッグに入っていて(点検・保守整備の為)、もう2隻は練習空母の扱いを受けていた。つまり実質的に保有する空母は6隻となっている。
信濃型は後2隻造られ、その後練習空母として扱われている「翔鶴」「瑞鶴」の2隻が退役することになっている。後の「紅鶴」「蒼鶴」の2隻は2030年代まで練習空母として扱われることが決定している。
ちなみにこの世界ではバブルがはじけて大不況になることもリーマンブラザーズの破綻が契機となった大不況も起きていない。
その代わり1997年に起きた日朝戦争、第二次朝鮮戦争で韓国が朝鮮半島を統一し、南北格差が極端なほど現れたことにより外資が大量に入り込み、韓国政府が規制をかけたりしたおかげで東アジア(東南アジアも含め)金融危機が発生した。
この時は日本もかなりの損害を受けたが2年で立ち直った。やはり基盤が強いところは簡単には転ばない。
この時に規制を受けなかった外国企業の大半は北で幾ばくかの力を持っていた中国企業だった。
これから5年で荒稼ぎして去っていった中国企業は本国政府にそれを渡し、政府はそれを軍事費に注ぎ、後の空母建造へと繋がった。
それ以外に、2005年にイラク戦争での後始末に失敗してアメリカが大増派した際に起きた陸軍一個連隊が壊滅、もとい消滅した事件(ファルージャの惨劇と呼ばれた。奇しくもその日は9月11日だった。ファルージャに潜伏していたアルカイダ幹部が、闇に流れていた旧ソ連製小型核爆弾で街一つを道連れに一個連隊の戦力を奪った世界初の核テロ)が発生し、世界を恐怖に陥れた。
それによってイラクに出兵していた国の企業の株が暴落し、あわや大恐慌と言うところまで行った。
これは各国が迅速に財政出動したことにより5年をかけて緩やかに終結した。
この二つの恐慌により(イラク出兵によるもののみだが)アメリカの影響力は削がれ、世界はEUと日本、それと中露の三大勢力に分かれていた(アメリカの影響力も侮れないものがあるが)。
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