~君の為を思っての行為~

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「仕事無くて良かったんかな」 今日はたまたま仕事が無い日。 朝顔を洗おうと鏡で自分の顔を見ると物凄く酷い顔で。 休暇をもらったけど、外にでられへん…と思いながら自分に苦笑を軽く溢してソファーに座り込んだ。 朝御飯なんて食べる気もせえへんし…、動く気もしない。 「孝宏…」 俺の部屋にかすかに残る孝宏の香り。 ああ、ダメや。また…、涙が出そうになる。 ぎりっ…と奥歯を噛み締め、涙を溢さないように我慢はしてみる。 だけど、やっぱり自分は弱いんや…涙を我慢することなんて出来ない。 「っ……」 ぼろぼろと溢れ出る涙。 本当は流したくないのに…、。次に仕事とかで孝宏に会うことを考えると少し怖くなる。あいつにちゃんと笑顔を向けられるのか、…って。 「…!…誰や…?」 こんな悩んでいる時に電話なんて誰…? 出たくないけど出ないのも失礼やし…。 はぁと深いため息を吐くとディスプレイを見ずそのまま俺は電話に出た。 「はい、もしもし…」 「杉田ですけど…って鈴さん元気なさそうな声ですね?」 「す…杉田?」 仕事関係の電話だと思っていたから一瞬ポカンとしてしまいそうになる。 杉田はそれに気付いたのか、クスクスと笑っているようやけどそこは無視しておこう。 「何の用事で掛けてきたん?」 「ああ…ちょっと相談がありまして…」
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