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「リラックスしてけー!相手ミエテナイぞー」
明が後ろで鼓舞と煽りを繰り返す。助かるが、怒られてしまえ。
「まじかよ先輩。次もカーブかい…」
三球目カーブ。
しかも最初のカーブと同じコース。「一応」打率10割に同じコースが通用するのか?
先輩はピッチャーを見間違えてるのか、プロ選手とかと・・・それはないか。
「もうしらない、打たれても仕方ない。頼む。」
もう2塁も見ずにキャッチャー目掛けて思いっきりカーブを投げた────外角低めいっぱい!!
カキーーン!「うっ!!」三浦が少し声を出す、体制をほぼ崩して片手一本でタイミングを合わせてきた。プロかよ。
しかし、打たれるのは予想できた結果。どこに飛ぶか...んっ?!
若干引っ張りで真芯から外れた打球は、サードの京都明にフラフラと上がっていく。
いや、伸びる!伸びる!!すでに明の守備範囲ではない所まで伸びた。
ライトもボール目掛けて突っ込む。
───ドカッ!!!
明とライトの先輩が交錯、すぐさま明が立ち上がりスタートしていた2塁ランナーを刺すために、バックホーム!!
「セーーーーフ!!!」
クロスプレーの末セーフ。サヨナラ負け。人生で初めてのサヨナラ負けを自分はマウンドで喫したのだった。
完全に思い出した。三浦薮。
しかしなぜ、あんな男に…
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