4月 「入部」

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「リラックスしてけー!相手ミエテナイぞー」 明が後ろで鼓舞と煽りを繰り返す。助かるが、怒られてしまえ。 「まじかよ先輩。次もカーブかい…」 三球目カーブ。 しかも最初のカーブと同じコース。「一応」打率10割に同じコースが通用するのか? 先輩はピッチャーを見間違えてるのか、プロ選手とかと・・・それはないか。 「もうしらない、打たれても仕方ない。頼む。」 もう2塁も見ずにキャッチャー目掛けて思いっきりカーブを投げた────外角低めいっぱい!! カキーーン!「うっ!!」三浦が少し声を出す、体制をほぼ崩して片手一本でタイミングを合わせてきた。プロかよ。 しかし、打たれるのは予想できた結果。どこに飛ぶか...んっ?! 若干引っ張りで真芯から外れた打球は、サードの京都明にフラフラと上がっていく。 いや、伸びる!伸びる!!すでに明の守備範囲ではない所まで伸びた。 ライトもボール目掛けて突っ込む。 ───ドカッ!!! 明とライトの先輩が交錯、すぐさま明が立ち上がりスタートしていた2塁ランナーを刺すために、バックホーム!! 「セーーーーフ!!!」 クロスプレーの末セーフ。サヨナラ負け。人生で初めてのサヨナラ負けを自分はマウンドで喫したのだった。 完全に思い出した。三浦薮。 しかしなぜ、あんな男に…
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