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─ヒガシの海河川敷─
爽やかな春の陽気の中、それとは打って変わって河川敷には泥だらけの2人の姿がある。
マウンドに立った1人が早速振りかぶる。
スリークォーターの左腕から放たれた一球は、ほぼ一直線にベースに座るもう1人のミットに吸い込まれていった。
──スバン!!!
いい音が響いた。
それと同時に威勢の良い元気な声も響く。
「ストライークっバッターアウト!」
「ってね、ナイスボールだぜ和己(カズミ)!」
「でっしょ?いい球行ったと思ったのよ
ありがと明(アキラ)!」
パッパッと砂を払いながら
2人は満足げに歩み寄っていく。
「もっと素直に喜べよ、和己ちゃん!」
「ばかっ!!!ちゃん付けは止めろ!!」
今「ちゃん付け」されてムッとした表情をしたのが三神和巳(ミカミカズミ)。立派な男の子だ。
そして、その和巳を弄ってるのが京都明(ミヤコアキラ)。
2人は昔からの仲で、同じ中学の野球に所属している仲良し二人組であった。
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