17人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほんとねぇ~。さくらちゃん気を付けてねぇ~。ママぁ~、さくらちゃんにぃ~なにかあったらぁ~…………うわぁぁぁぁん」
そんな少女、神山さくらの後ろで突然泣き喚くこの女性、神山まどか。さくらの母親である。
さくらとは違い長く、上品な綺麗な髪、そしてその到底子供などいそうに見えない幼い顔。
まどかは瞳に涙を浮かべながらさくらにおいすがるように飛び付いた。
「ママ……あたし気をつけるよぉ~!だから泣かないでぇ~、うわぁぁぁぁん」
まどかの涙に触発されたのか、さくらも負けじとばかりに涙を浮かべ、まどかを抱き止め、同じようにわんわんと泣きはじめていた。
さくらとまどか、さくらが産まれてから16年間に渡り続く涙の抱擁であった。
最初のコメントを投稿しよう!