月鐘のサラサ草

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タンタン タンタン タンタンタンタンッ タンバリンがリズム良く打ち、静かにサリーを揺らして舞う。 月夜に浮かぶサラサ草を浮かべて、想い人のために愛を捧げる。 白いサラサ草が月明かりに照らされて、淡く妖しく碧く染まっていく。 吐息のように、ハープの音色を奏でて一人踊る。 塵に舞う星々。 鈴の音を聴いて、命尽きる。 ある一人の男が舞姫の根を止めた。 悲しさ故に‥恨めしさ故に‥孤独な男に殺されました。 サラサ草は静かに赤く染まりました。月も紅く染まりました。 涙も――朱く染まりました…‥。  
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