Dinner at midnight

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   女を指差していた右手を再びポッケに突っ込んだ大雅は、男の問いかけに答える。 「別に。ルチアーノを監視するためかどうかは知らないけれど、あの魔石に微弱ながらルチアーノのものじゃない魔力を感知したから。……あとは、タナトスがおじさんたちを探してくれただけだよ」  完璧な答えを返してくれたのだが、男はルチアーノと会ったときと同様に自身の顔に魔術をかけて見えなくしているにも関わらず、大雅が“おじさん”と呼ぶことに違和感があった。  別に男がそのように呼ばれることを気に入らないわけではなく、大雅が自分の正体を知っているのではないか、と考えてしまったからである。  とりあえず、大雅がどこまで知っているのかを知るために、男は目の前に立つ少年に再び訊ねる。 「さすがは史上最年少で四天王となれた天才児、ってわけか。ではその天才児は、いったい我々のどこまで知っているのかな?」  男の問いかけに大雅は不適に笑い、 「どこまでがいい?」  
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