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残虐な考えに賛同している《屍塁闇王》は、女を貫通している円錐形の物体を自由自在に伸縮させて、串刺し状態のまま自分の口元へと運んでくる。
そしてそのまま女は異形の生命体に飲み込まれてしまった。そんな光景なんかに興味のない大雅は、ただ呆然としている男の反応を見てケラケラ笑っている。
「次はおじさんの番だよ」
「うわぁぁぁぁ!!」
あまりの恐怖により腕の力だけでこの場から逃げようともがく男を見た大雅は、その無様すぎる体(てい)たらくに思わず腹を抱えて笑ってしまう。
そして男の影から漆黒の物体が円刃状に飛び出し、そのまま男の両腕を切断した。男の悲鳴があがる中で、《屍塁闇王》は無惨に転がるその両腕を喰らう。
ついに男が巨大な生命体に捕らえられ、口の中へと放り込まれた。ただ首から上は国に証拠として渡さなければならないため、頭部が口内に入る前に大きな口を閉じる。
飛び散る血を《屍塁闇王》の能力で体に付着することを防いだ大雅は、地面に落ちてきた男の頭部を拾うと影へ落とした。すると男の頭部は漆黒に染まっていき、そのまま影の中に沈んでいく。これが、王宮へ届くのである。
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