42016人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいのって、何が?」
「だって八神西からここまで結構距離あるじゃん。ケンちゃんがそんな時間女と2人でいるなんて、あたしだったらすごい嫌」
美寧は少しだけきょとんした後、すぐにピンクの唇で微笑んだ。
同い年とは思えない、余裕のある笑い方だった。
「そんなこと、考えたことないよ」
「あ、そ」
なんだか雅は不服そうだ。
「つーかお前んとこも仲良いよな。羽賀、高松先輩と何ヵ月だっけ?」
雅の彼氏、高松 健太郎――愛称ケンちゃんは、沙弓たちのひとつ上の先輩だ。
サッカー部キャプテンで、学校1の爽やかさ。
体育祭では毎回ヒーローで、女子からの人気は不動の1位だった。
彼の卒業式前日に雅が捨て身の告白をして、今も交際が続いているのだった。
最初のコメントを投稿しよう!