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神様は今日も一人だった。
楽園にはもう生き物はなにもいない。
下には、アダムとイブ、たくさんの生き物たちが今日も生きている。
風がない楽園では、神様の声を生き物たちに届ける手段はもうなかった。
「ここは、楽園なのか。こんなにつらい思いしかない場所が楽園なんて」
神様はこの心をなくすことを決めた。
神様の抱く、
辛い気持ち
悲しい気持ち
過ちを犯してしまった
後悔の気持ち
怒りの気持ち
そして、
喜び、優しさ、
胸が焦がれるような気持ち
最後に愛。
二つの箱につめて
神様は下に落とした。
神様の心が詰められた箱は
静かに落ちて行った。
そこにいた翼をもったいたずら好きな生き物たちが、
その箱を開けた。
片方の箱をあけた翼をもつ生き物は
気がつくと黒く染まっていた。
もう一方の箱をあけた翼をあけた生き物は
真っ白に染まった。
知らぬ間に神様は、また新しい生き物を作った。
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