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俺達が生きる世界…それはとても薄っぺらいもので、信じているもの、目に映るもの、触れるもの…それらが真実だと…現実だと実証出来るものはない。
(おぃ、そこのつづり間違ってるぞ?」
「どこだよ。」
(そこだ、その薄っぺらの部分だ。そこは[い]ではなく[な]だろう?)
「間違ってねぇよ、時代の変化だ。」
(そうか…もう少し勉強する必要があるな。)
…現に今まで信じていた俺の世界は数ヶ月前に崩壊した。現在の技術水準からは理解、解析できない正体不明の文明の跡…[異跡]
俺はそこで発掘…というより冒険家として異跡を探索するという仕事をしていた。そこで発見したのはCOREと呼ばれる正体不明の結晶体と…最下層に放置された研究プラント。そして…
(もう少しかっこよく書けないのか?)
「本職じゃねぇんだ。我慢しろ。」
今、この瞬間、俺の中にいるもう一つの意思…プラントで見つけた資料には…[D TYPE-R]…と書かれていた。発見した結晶体・・・COREはこの[D]の器に共鳴するかのように光だし、俺の体と融合した。俺の右腕…刻まれた赤い紋章が[D]との融合の証だと…[D]は言った。
「…文章を書くってのは難しいもんだな。」
実際やって見ると難しいもので、上手く書けない。作家とはやはり凄い職業なんだと思い知らされる。
「[D]が何なのか…明確な表記がないからな。」
…何て書けばいいんだよ…[D]は…
(おぃ、そろそろ次の街に着くぞ。)
「あぁ、わかった。」
~瓦礫の街「アステリウデ」~
極最近の国家間戦争により瓦礫の街に行き場のない人々が集まって誕生した街。聖人君子から悪虐非道な人間まで様々な人種、職業の人間がいる。
「だからこそ色々な情報も集まってくる。」
だからこそ俺達はこの街に来た。自分を追う者…自分が追う者…その情報は日々常に変化し、それを知っておく必要がある。
「…情報屋を見つけるための情報を探すことから始めないとな。」
(なんとも遠回りだな。)
「しょうがないのさ。」
などと無駄話をしながら俺達は瓦礫の街を歩き出した。
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