08、

14/31
前へ
/993ページ
次へ
「どうかしたのかぃ?」 レネム先生は頭をかしげ、私を見ている。 「ムウとセイ。」 私はとりあえず2人の名前を出してみた。 レネム先生だし、これで分かる気がする。 「ん?…ぁあ、2人とも様子が変だねぇ、ふりは上手いけど。」 やっぱりレネム先生は鋭いな。 2人を見てすぐにつぶやく。 「2人って基本魔法は全部習得済み?」 「いや。ムウ君は4つでセイちゃんは1つ出来るようになったよ。」 へぇ。 ムウの勝ちか。 当然だけど。 「あれ、明らかに練習してるふりだよねぇ。使えるようになってないはずなのに、それが使えるようになってて、しかもそれを隠してる。」 おかしいよねぇ。 私は2人を見ながらつぶやく。 「もしかして、2人は2人じゃないとかかな?」 うん。 これが私の考え。 シエンの仲間が2人に化けてるなら、話ははやい。 基本魔法は使えるだろうし、本物は使えないのだから、使えることを隠すだろう。 「その可能性が高いだろうねぇ。」 レネム先生はうなずく。 もし、これがあってたら面倒なことになるなぁ。 ………一応。念の為だしなぁ。 役に立たないかもだけど。 「グレ、姿をあらわさずに聞いて。ムウとセイの居場所を探して欲しいんだ。」 『確かにそこにはおらぬな。うむ、承知した。2人になっておる奴らの属性は幻。ならば、我はどうにか探し出せるのだ。』 「よろしく。」 敵はいる。 幻の使い手らしい。 面倒だなぁ。
/993ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6030人が本棚に入れています
本棚に追加