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「どうかしたのかぃ?」
レネム先生は頭をかしげ、私を見ている。
「ムウとセイ。」
私はとりあえず2人の名前を出してみた。
レネム先生だし、これで分かる気がする。
「ん?…ぁあ、2人とも様子が変だねぇ、ふりは上手いけど。」
やっぱりレネム先生は鋭いな。
2人を見てすぐにつぶやく。
「2人って基本魔法は全部習得済み?」
「いや。ムウ君は4つでセイちゃんは1つ出来るようになったよ。」
へぇ。
ムウの勝ちか。
当然だけど。
「あれ、明らかに練習してるふりだよねぇ。使えるようになってないはずなのに、それが使えるようになってて、しかもそれを隠してる。」
おかしいよねぇ。
私は2人を見ながらつぶやく。
「もしかして、2人は2人じゃないとかかな?」
うん。
これが私の考え。
シエンの仲間が2人に化けてるなら、話ははやい。
基本魔法は使えるだろうし、本物は使えないのだから、使えることを隠すだろう。
「その可能性が高いだろうねぇ。」
レネム先生はうなずく。
もし、これがあってたら面倒なことになるなぁ。
………一応。念の為だしなぁ。
役に立たないかもだけど。
「グレ、姿をあらわさずに聞いて。ムウとセイの居場所を探して欲しいんだ。」
『確かにそこにはおらぬな。うむ、承知した。2人になっておる奴らの属性は幻。ならば、我はどうにか探し出せるのだ。』
「よろしく。」
敵はいる。
幻の使い手らしい。
面倒だなぁ。
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