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「ちょっとごめん…章大君かわってくれる?」
裕さんはそういうとなかば強引に僕の携帯をとった。
[ヒナやんな…]
[なんで急にいなくなったん]
[意味がわからん…。]
会話は聞こえんけどなかなか深刻そうや…。
「安田君、誰と電話しとったん?」
椿君が不思議そうに聞いてきた。
不思議やろな…。
僕やって不思議やもん。
「僕の兄ちゃん…。」
[お前今からこい!!!やないと章大君返さんからな!!!]
ガチャッ…。
最後に一発怒鳴って裕さんは電話をきった。
まって…。いま裕さんなんて…。
「章大君悪いんやけど、お兄さんくるまで家にあがっとって…。」
なんや…。
このシリアスな展開は…。
「なんか…。安田君ごめん。」
「ふぇ…。なんで椿君が謝るねん!!
逆に椿君の家にお邪魔しちゃってごめんねιι」
これは空気を読んで帰ったらあかんな。
やから僕は椿君の家にお邪魔させてもらった。
暗くなってきたからよく見えんけど看板には大きな字で
『フラワーつばき』
って書いてあって、
中も僕好みのきれいなお花屋さんやった。
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