●フラワーつばき

7/7
前へ
/41ページ
次へ
「ちょっとごめん…章大君かわってくれる?」 裕さんはそういうとなかば強引に僕の携帯をとった。 [ヒナやんな…] [なんで急にいなくなったん] [意味がわからん…。] 会話は聞こえんけどなかなか深刻そうや…。 「安田君、誰と電話しとったん?」 椿君が不思議そうに聞いてきた。 不思議やろな…。 僕やって不思議やもん。 「僕の兄ちゃん…。」 [お前今からこい!!!やないと章大君返さんからな!!!] ガチャッ…。 最後に一発怒鳴って裕さんは電話をきった。 まって…。いま裕さんなんて…。 「章大君悪いんやけど、お兄さんくるまで家にあがっとって…。」 なんや…。 このシリアスな展開は…。 「なんか…。安田君ごめん。」 「ふぇ…。なんで椿君が謝るねん!! 逆に椿君の家にお邪魔しちゃってごめんねιι」 これは空気を読んで帰ったらあかんな。 やから僕は椿君の家にお邪魔させてもらった。 暗くなってきたからよく見えんけど看板には大きな字で 『フラワーつばき』 って書いてあって、 中も僕好みのきれいなお花屋さんやった。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

731人が本棚に入れています
本棚に追加