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「章大ぁぁ!!お前ええ加減にせぇよ!!学校に何しにいっとるんや!!」
家中に響きわたる兄ちゃんの声。
そんな大きな声ださんでも聞こえとるわ。
「勉強‥しとるよ。」
「勉強しとる奴の成績がこんな低いんかい!!」
夕飯前なのにちゃぶ台をひっくり返しそうな勢いで怒鳴ってくる兄ちゃん。
「ふざけてるんはそのひよこみたいな髪の色だけにしろや!!」
「ええやん。かわええんやもん。」
「男が‘もん’とかいうな!!」
ばん!!!
そういうと兄ちゃんの黄金の右腕が僕の後頭部にクリーンヒット。
ヤンキー時代は
「ツッコミの信五」と恐れられてきた(らしい)兄ちゃん。
この右腕で病院送りにしてきた輩は数知れず。
「痛いやんか!!」
「当たり前やろ!!だいたいなぁ……目立ちたくない言ってるんにその頭は目立つやろ!!
言っとることとやっとることが矛盾しとるやんか!!」
図星を刺されると普通の奴なら言いかえせんやろうが僕はちがう。
普通の奴らと溜まっとるものの
濃さも量もちがうねん!!!!
「やったらそっちはなんやねん!!
三者面談で歌舞伎町のホストばりのスーツなんか来てきて!!
めっちゃ見られたわ。
明日学校いったら絶対噂になっとるで!!
先生なんかどん引きしとったやん!!
かえる時なんて“仕事の時間大丈夫ですか”って……。
100%夜の仕事と勘違いしとったし!!」
「仕方ないやん。格好ええんは生まれつきや!!
あのスーツやって亮が貸してくれたんやで文句があるんやったら亮にいえや!!」
でた!!
責任転換←
哀れに思いながら亮ちゃんをみる。
可哀想にめっちゃたじたじしとるやん…。
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