1.白黒パンダ柄のマツノスケ

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俺は今年で26歳 とある工場に勤めてもう10年 毎日毎日繰り返される単純作業は日に日に俺の生きる気力を蝕んでいった。 「生きるのも楽じゃ無いよな。」 買って帰ったコンビニの弁当を見る度に何か虚しさがこみ上げて来た。 俺の1人暮らしは16の時からだ。 幼い頃に両親は離婚していて、父親は15の時に他界した。 残った母親も俺が15の時まで育ててくれたが、俺が中学を卒業して働き始めると同時に、男と再婚して地方に出て行った。 まぁ離婚してから6年間、女手一つで俺を育ててくれたんだからそれも仕方無いかと思っていた。 でも後から考えると、親父が生前俺の為にコツコツ貯めていってくれてたお金が無くなっていた。 働く事をしなかった母親がどうやって俺に6年間飯を食わせていったかが一目瞭然だった。
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