小さな命の恩人へ

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二年前、…何もかも嫌になり駅のホームから向かってくる電車に飛びこもうとしていた。 不思議と気持ちは楽だった。度重なる仕事の苦しみ、職場でのいじめ。飛び降りればすべてから解放されると思うバカな考え 死ぬことさえ簡単にそぅ楽に思えた。 電車がホームに入ってくる。 白線の真上に立ち、いざ飛び込もうとした瞬間、右手に小さな力で握りしめられるのを感じた ぎょっとして右に目をやると、小学生の小さな男の子が私の右手を黙って握っていた 電車が次の駅に向かって出発したのを右手を握りしめられたまま見送った。 『お姉ちゃん…今とっても苦しいの? お姉ちゃん大丈夫だよ、これ僕の御守りだけどお姉ちゃんにあげるね』 そう言ってポケットからとても綺麗な小石を出し、私の右手に握らせた。 そしてニッコリ微笑むと、階段を一段ぬかしで登っていった あの時の男の子へ、お姉ちゃんは今とても幸せです。 転職し、愛する人に出会えました。 あの時もらった翡翠の小石は今も大切に肌身はなさず持っています ありがとう、 本当にありがとう この文書がいつかあの男の子に届くのを願って……
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