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嵐の夜、外はよこなぐりの雨と空をつらぬく雷鳴と稲妻。
その嵐のなか教会に男の悲鳴が響く。
暗い教会、稲光で光るステンドガラスに映る人影。
その人影に怯え、部屋のすみで小さくふるえる老人が一人。
「や…やめてくれ、お願いだ、かっ金ならいくらでもやる!」
あわてふためきながら、叫ぶ老人を冷ややかに見下す人影。
その人影の顔が稲光で映った。
それはまだ18程度にしか見えない少年…。
その手には黒く光る不釣り合いの大きなハンドガンが握られている。
世界にあるユリを掲げた花の教会、リース協会。
その教団が不思議な力をもつ物体「アーティファクト」の回収、それによって起きる事件の解決のために作った組織、「シャロンの騎士団」
約3000人ほどの小さな組織で、13人の執行者と呼ばれる特別なメンバーがこの組織をまとめている。
この少年はその執行者第Ⅵ位に位置している。
「あんた…覚悟してもらうよ。」
少年が口を開き、ハンドガンを老人に向けた。
老人はさらにあわて、ふためく。
「な…なんでもやるから、助けてくれ!」
老人は壁に体をはりつけながら命ごいをした。
少年はハンドガンの構えを解く。
それを見た老人は安堵の顔を浮かべた。
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